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土曜ドラマ 天城越え

元NHKディレクターの和田勉さんが1月14日に亡くなりました。

1953年のNHK入局以来、テレビドラマの歴史に残る数々の傑作を作り上げ、退局後も映画、舞台などで幅広い才能を発揮した名演出家でした。

今回は、そんな和田さんを偲んで「天城越え」を紹介します。松本清張の小説をざん新な脚本と演出でドラマ化し、1978年の芸術祭大賞を受賞するなど、数ある松本清張ドラマの中でも評価の高い作品です。

物語は大正15年(1926)夏、天城峠で男の死体が発見されるところから始まります。事件が起きた時刻に天城峠を越えていたのは紺絣(かすり)を着た家出少年、着物姿の娼婦(しょうふ)、過去を閉ざした流れ者。
三人は同行者のように仲良く天城峠を登っていたのですが、少年のいちずで純粋な心が、娼婦と流れ者の運命を大きく変えることになります......。

少年役に子役時代の鶴見辰吾、娼婦役に大谷直子、流れ者に佐藤慶、さらには宇野重吉、中村翫右衛門らの名優を迎え、迷宮入り事件となった殺人事件を担当した老刑事の回想を通して、過去と現在を交錯させながら物語は進んでいきます。

物語の中で注目なのはクローズアップを多用する和田さん独特の演出方法です。
「テレビはアップだ」が口ぐせだったという和田さんは、登場人物たちのアップを何度も登場させることで、彼らの揺れ動く心情を見事に映し取っていきます。

このようなざん新な演出方法をはじめ、和田さんが後のテレビドラマ界に与えた影響は実に多大なものがあります。
「天城越え」以外にも、NODには彼の手がけた作品が数多くラインナップされています。現在のテレビドラマの礎を築いたといっても過言ではない、名演出家の業績を偲んで、この機に視聴してみるのはいかがでしょうか。

(編集部K・H)


★NHKオンデマンドで見られる和田勉さん演出作品
土曜ドラマ 松本清張シリーズ 波の塔
土曜ドラマ 松本清張シリーズ けものみち
土曜ドラマ 松本清張シリーズ 火の記憶
土曜ドラマ 松本清張シリーズ 最後の自画像
土曜ドラマ 松本清張シリーズ 中央流沙
土曜ドラマ 松本清張シリーズ 遠い接近
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※「ザ・商社」「棲息地帯」は2月4日に配信予定です。
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